セクシュアルハラスメントを原因とする精神障害は労災の対象となるか

労働者の精神障害が、労災認定できるかどうかの判断をするために、「心理的負荷による精神障害の認定基準」が定められています。
発病前およそ6ヶ月間の業務について、強い心理的負荷が認められれば、労災認定要件の一つを満たすことになります。
今回は、この業務による出来事の中の一つ、セクシュアルハラスメントについて説明させていただきます。

精神障害の労災が業務上として認定される要件には次のようなことがあります。

☆認定基準の対象となる精神障害を発病していること
業務に関連して発病する可能性がある精神障害には、
「うつ病」や「急性ストレス反応」があります。

☆精神障害の発病前およそ6ヶ月間に、業務による強い心理的負荷が認められる事 セクシュアルハラスメントについては、発病の6ヶ月 よりも前に始まり、発病まで継続していた場合は、始ま った時点からの心理的負荷を評価します。

☆業務以外の心理的負荷や個体側要因により精神障害を 発病したとは認められないこと 引っ越し、離婚、別居、家族の死亡などの家庭環境の 私的な出来事が発病の原因ではないといえるか、又アル コール依存症などではないか等を確認し、それらが発病 の原因でないといえるかの判断が必要です。

では、業務による強い心理的負荷が認められるかどうかの判断はどの様にするのでしょうか?
発病前およそ6ヶ月間に起きた業務による出来事について、心理的負荷の程度「強」「中」「弱」の3段階で評価します。
そして「強」と評価されれば、労災認定の要件の一つを満たす事になります。

評価が「強」となる事例は強姦や本人の意思を抑圧して行われたわいせつ行為などが該当します。
しかしこういった「特別な出来事」が無い場合も、総合的
な判断で「強」と評価される場合もあります。

「心理的負荷の総合評価の視点」
・セクシュアルハラスメントの内容、程度等や継続する状況
・セクシュアルハラスメントを受けた後の会社の対応および 内容、改善の状況、職場の人間関係など

評価が「弱」となる事例は、職場内に水着姿の女性のポスターなどを掲示された場合、「××ちゃん」などのセクシュアルハラスメントに当たる発言をされた場合等となりますが、こちらについても総合判断で「強」と評価される場合があります。

ただ基準はあくまで”基準”であるため、最終的な評価は被害者のみでは判断できません。

被害者と加害者の意見が食い違ったり、人それぞれ主観によって判断が大きく分かれる問題です。
しかし、被害者の意見を無視していては、事業主責任とされる可能性もありますので適切な対応が必要となります。
具体的には、手続きの流れを十分に吟味したうえで、詳細に取り決めた規程を作成して、問題が発生した場合、その規程どおりに運用することが考えられます。

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