労務管理について(1回目)

企業の中には、経営状況が悪化したために、やむなく労働条件の変更などを行わなければならない場合があると思います。

その様な場合の、守らなければならないポイントについて2回に分けて説明させていただきます。まず「賃金の支払い」についてです。

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければなりません。

また、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません。

未成年者にも直接支払わなければなりません。

この直接払の原則は、労働者本人以外の者に賃金を支払うことを禁止するものです。

従って、労働者の親権者その他の法定代理人に支払うこと、労働者の委任を受けた委任代理人に支払うことはいずれもできません。

例外として、本人が病気で休んだ場合に、奥さんが受け取りに来る場合、又、 労働者派遣事業の事業主が、派遣中の労働者に派遣先の使用者を通じて支払う場合等があります。
全額払の原則は、賃金の一部の支払を留保することによって、労働者の足留策とならないようにするとともに、直接払の原則とあわせて、労働の対償としての賃金の全額を労働者に帰属させるために控除を禁止したものです。

例外として、法令に別段の定めがある場合、又 、労使協定を締結した購買代金、社宅等の賃貸料、労働組合費等の控除等があります。

賃金は、毎月1日から月末までの間に、少なくとも1回は支払わなければなりません。

賃金の締切期間及び支払期限は決められていませんので、賃金の締切期間については、必ずしも月初から起算して月末に締め切る必要はなく、例えば、前月の16日から当月15日までを一期間としても差し支えありません。

また、支払期限についても、ある月の労働に対する賃金をその月中に支払う必要はなく、その期間が不当なものでない限り、締切後ある程度の期間をおいてから支払う定めをしても差し支えありません。

毎月少なくとも1回ですから、日払い・週払いも問題ありません。臨時に支払われる賃金や賞与などの例外はあります。

退職金は、労働者の退職後の生活に重要な意味を持つものであり、社内預金は労働者の貴重な貯蓄なので、万が一企業が倒産した場合であっても、労働者にその支払いや返還が確実になされなければなりません。

退職金は本質的には賃金の後払いであり、終身雇用制を基調とした日本においては永年勤続を奨励する意味もあり広く行き渡っている制度ではありますが、法定された制度ではなく、退職金制度を設けなくても違法ではありません。

最近は退職金制度を導入していない企業や、退職金制度を廃止した企業が増加傾向にあります。

しかし、就業規則に退職金の規定を設けた場合は、賃金の一部とみなされ、請求があった場合は支給しなければなりません。

なお、就業規則に退職金についての規定を設ける場合は、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項を設けなければなりません。

企業は、業績不振で経営が厳しくなるなどやむを得ない理由があれば、労使協定を改定した上で社内預金制度を廃止したり、利率を引き下げたりすることができます。

また利率を引き下げる場合、厚労省令で定められている社内預金の下限利率を超えて下げることは認められません。

この下限利率の値は、市中金利に基づいて毎年度初めなどに見直されるものです。

休業手当の支払いに関しては、企業側の都合で休業させた場合には、労働者に休業手当を支払い、一定の収入を保障する必要があります。

企業側の都合(一時帰休など)による休業の場合は、使用者は休業期間中労働者に、平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければなりません。

休業手当や時間外労働手当等の支払いの義務を怠った場合は、労働者の請求により裁判所から使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ぜられることがありますが、労働者の請求は、支払いの義務を怠ったときから2年以内とされています。

コメント


認証コード0504

コメントは管理者の承認後に表示されます。