労務管理について(2回目)

企業の中には、経営状況が悪化したために、やむなく労働条件の変更などを行わなければならない場合があると思います。

その様な場合の、守らなければならないポイントについて2回に分けて説明させていただきます。

2回目の今回は、労働条件の変更や解雇について説明させていただきます。

労働条件の変更は、労働者と使用者の合意の上で、変更することができます。

又就業規則による変更は、その内容が合理的であること、労働者に周知させることが必要です。

解雇については、例えば、労働組合の組合員であること、男性(女性)であること、女性の婚姻・妊娠・出産など、育児・介護休業の申し出・取得、パートタイム労働者であること、労働基準監督署に申告したこと等を理由とする解雇などが法律で禁止されています。
整理解雇は次の要件にすべて適合しないと無効(不当解雇)とされます。

1.人員整理の必要性

余剰人員の整理解雇を行うには、削減をしなければ経営を維持できないという程度の必要性が認められなければなりません。

2.解雇回避努力義務の履行

期間の定めのない雇用契約においては、人員整理(解雇)は最終選択手段であることが要求されます。

3.被解雇者選定の合理性

解雇するための人選基準が合理的で、具体的人選も合理的かつ公平でなければなりません。

4.手続の妥当性

整理解雇については、手続の妥当性が大変重視されています。

配置転換、出向、希望退職募集、労働時間の短縮(ワークシェアリング)などを検討することも、解雇回避や人員削減回避の方法の一つの方策です。

又、退職勧奨は、被勧奨者自由な意思決定を妨げるものは、違法な権利侵害に当たることもあります。

解雇と退職は、会社を辞めることは同じなのですが、どちらに該当するかによって法律的な意味合いが全く異なります。

解雇は会社側から一方的に労働契約を解約することを言い、退職は解雇以外によって労働契約を解約することを言います。

そして、解雇の場合は、解雇予告を行うことが労働基準法で義務付けられています。

また、労働契約法により解雇が適正と認められるためには正当な理由が必要とされています。

「解雇は無効だ!」と主張され、裁判で「解雇無効」と判断されると、解雇を行った時点から判断が行われるまでの間の給料を支払わされることになります。

また、解雇が無効となると、その社員を会社に復帰させないといけません。

解雇のハードルは高くて、裁判所はなかなか解雇を有効とは認めません。

裁判に持ち込まれる事案では、会社側が勝訴するのは2~3割と言われています。

一方、「退職は無効だ!」と訴えられても、社員が退職届を提出していれば、退職の意思があったものとして、会社が強要や詐欺的な行為をしていない限り、退職の効力が覆る可能性は低くなりますが、念のため、会社が、退職承諾書を発行するとより可能性は低くなります。効果があります。ことはありません。

退職届や退職承諾書が重要な書類になります。

著しく能力不足で雇い続けられない、プライベートで問題行動が発覚した、見過ごせない言動があった、等で正当な解雇理由になるかどうか微妙なケースがあります。

基本的には会社が指導や教育、話合いを行って正していくのが正論なのですが、繰り返し指導等を行っても改善されない場合があります。

そのような場合は、解雇無効と判断されるリスクけて、話し合いで退職してもらうのが賢明です。

会社から本人に「辞めた方が良いのではないか?」と退職するよう勧めることを退職勧奨と言います。

社員がこれに応じると、合意による「退職」となり、「解雇」には当たりませんので、解雇に関するトラブルを防止できます。

一方、話しあいでの合意ができない場合も考慮して、指導書、注意書など、会社が都度、きちんと継続して指導してきたことが分かる書類がポイントとなるため、トラブル防止の観点からも文書により労務管理が重要となります。

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