居宅サービスの更なる連携(介護報酬の動向)

今回は、現在介護報酬の見直しの議論が介護給付費分科会にて行われているのですが、まず、総論的なものとして、流れ(動向)についてです。


大きくテーマは4つあります。




まず一つ目は居宅サービス全体の主な論点です。




<居宅サービスの機能と連携の在り方>


1 訪問系サービスと通所系サービスはいずれも居宅における高齢者の自立を支援するためのサービスであり、本来、これらは連携しつつ提供されることが効果的・効率的と考えられ、求められる機能や基準の考え方も基本的には同じであることから、これらを一体的・総合的にとらえた機能分類や評価体系が必要ではないか。




2 このような考え方に基づき、たとえば同じようなサービスの提供については報酬上も同じような機能として評価する等、今後、より一層の機能的な連携を図るとともに、異なる機能や役割についての明確化を図る必要があるのではないか。

その際、担っている機能を明確にするための客観的な機能評価も合わせて導入することを目指すべきではないか(例:心身機能の回復に重点的に取り組むサービスを提供するのであれば、事業所における機能回復の程度を評価する必要があるのではないか。)。

また、アセスメントに基づく個別サービス計画の立案などPDCAに基づくサービス提供を行うことや、他の事業者や専門職等との連携、利用者の社会性の維持などの居宅サービスにおける基本的な取組を更に徹底する必要があるのではないか。




3 特に居宅において、今後急速に増大する認知症高齢者を含む重度要介護者や、複数の慢性疾患を合併する医療ニーズの高い高齢者への対応を見据えた効果的・効率的なサービス提供体制を確保することが求められる。

そのためには、各居宅サービスが有する専門職を有効に活用することが重要であり、今後の在宅医療・介護連携の推進も踏まえ、更なる多職種連携の充実が必要ではないか。





<居宅サービスにおけるリハビリテーション>




4 高齢者に対する「心身機能」、「活動」、「参加」のそれぞれの要素にバランスよく働きかける効果的なリハビリテーションが徹底できていないことについて、どのように考えるか。

また、居宅サービスにおけるリハビリテーション機能の役割や位置づけについて、通所介護や訪問介護との役割分担や連携等も含め、居宅サービス全体の機能や連携の在り方の中で再整理する必要があるのではないか。




5 このような現状を踏まえながら、バランスのとれた効果的なリハビリテーションを今後更に推進するためには、地域における高齢者リハビリテーションのあり方を改めて検討する必要があるのではないか。



特に注目したいところは、1と2です。

今は訪問介護や通所介護といった提供スタイルによってバラバラになっております。

本来は訪問介護も通所介護も自立の支援という意味では共通の目的があります。

共通の目的というのは本来ケアプランに反映されております。

そしてケアプランに書かれたものが訪問介護や通所介護計画書に反映されており、すべてが有機的に繋がっているというのが本来の姿です。

そしてそういうものを実現するために3ヶ月に1回の担当者会議というものが開かれております。

ところが実際は担当者会議というものも機能していない場合があります。

そして訪問も訪問通所は通所ということで分断されたサービスということで提供されております。
そこを何とかしていかないといけないということが主な論点の一つです。

そういった意味で一体的機能的にとらえた機能分類体系が必要ではないかということです。

具体的にどのように反映されてくるのかはこれからの議論次第ですが、例えば、通所介護計画書や訪問介護計画書があってこの二つをお互い連携しながら作っていき、定期的に情報交換の場を持っているとかそういう体勢をしているところには加算をしていく、というようなことが生まれてくるかもしれません。

また、2については、具体的に明らかになっておりませんが、理念としてはこのような方向で進んでいくということです。

例えば、訪問介護が訪問リハと連携して訪問介護計画書を作った時には加算をつけましょうというようなものが入っていますが、このようなものがイメージできてくるのかなと思ったりします。

また、機能強化型訪問看護ステーションというものがあります。

医療看護ステーションと居宅介護支援事業所が近接地にあってお互いに密接な連携を取り合っているような状況には評価をしていきましょうという話があります。

これはあくまでも例えばの話ですが、このようなものが想定されるのかなと思っております。

今後の具体的な動きについて注目していくところだと思います。





2つめは、通所介護における主な論点です。




1 介護保険では、要介護者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることが求められており、通所介護においては、「生活機能の維持・向上の観点から、日常生活上の世話(入浴、排せつ、食事等の介護、生活等に関する相談及び助言、健康状態の確認、その他の居宅要介護者に必要な日常生活上の世話)及び機能訓練を行う」ことが基本的な取組として求められている。

この取組を行うにあたっては、以下の基本的な方法や視点が求められている。

  • アセスメントに基づく個々の利用者の通所介護計画立案、計画に基づくサービスの提供、計画の評価及び見直しといったPDCAに基づくサービスの提供。
  • 地域の他の事業所や専門職等との連携を通じたサービスの提供。
  • 利用者の社会性の維持。

このことについては、介護保険制度創設当初から指定基準等に定められており、通所介護全てにおいて実施する基本的な取組であるため、利用者の立場に立ったサービス提供及びサービスの質の確保を図る観点から、改めてどのようにして徹底を図るべきか。




2 通所介護は住み慣れた地域での在宅生活を継続するための基幹的なサービスであり、通所介護全てにおいて基本的な取組に応じたサービス提供が行われることを前提とした上で、今後、認知症高齢者や重度の要介護者が増えていくと見込まれる中で、自立した日常生活を営むことができるようにするためには、

  1. 認知症対応機能
  2. 重度者対応機能
  3. 心身機能訓練から生活行為力向上訓練まで総合的に行う機能

を充実させていく必要があると考えられるが、これらの機能を評価の軸として、介護報酬上の評価をどう考えるか。




3 また、利用者の地域での暮らしを支えるためには、医療機関や他の介護事業所、地域の住民活動などと連携し、利用者がサービスを利用しない日を含め利用者の在宅生活の支援や家族介護者の支援を行う等、「地域連携拠点」としての機能が今後更に求められると考える。こうした取組を進めていくためには、どのような方策が必要と考えるか。




4 地域で不足している看護職員については、通所介護における看護職員が実施している業務の実態を踏まえた上で、その専門性を効果的に活かす観点から、他事業所との連携等による人員配置の見直しも必要と考えられるが、どう考えるか。





3つめは、介護人材確保対策について




1 介護人材は、地域包括ケアシステムの構築に不可欠な社会資源であり、その確保は重要課題の一つとなっている。

介護人材確保については、賃金水準の問題のみならず、より中長期的に、「参入促進」「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」の視点からの対策を総合的に講じていくことが必要である。

このような観点に立って、財源確保を前提に、介護報酬での対応と、新たな財政支援制度(基金)を活用した介護人材確保の対応を組み合わせていく必要があるのではないか。




2 賃金水準について、介護は職種計・産業計と比較して低いと評価されるが、性別、年齢、企業規模、勤続年数等に係る調査区分を同一にし、属性をコントロールした上で職業計・産業計や他職種・他産業の賃金との比較を行うと、相対的に賃金が高い層もいる。

職業計・産業計や他職種・他産業と比較した賃金水準の高低の議論よりも、更なる資質向上や雇用管理の改善などの取組を通じて社会的・経済的評価が高まっていくという好循環を生み出していくほうが安定的な処遇改善につながっていくと考えるがどうか。




3 介護報酬での対応としては、平成24年度改定における介護職員処遇改善加算の創設とその後の更なる普及により、安定的かつ継続的な処遇改善につながっていると評価できる。

しかしながら、現在の介護職員処遇改善加算は、事業者に、職位・職責・職務内容等に応じた任用要件や賃金体系の整備、資質向上のための計画策定や研修の実施等を求めているものの、必ずしも加算取得の必須の要件となっておらず、改善の余地があると考えるがどうか。

また、介護職員処遇改善加算については、介護職員の処遇を含む労働条件は、本来、労使間において自律的に決定されるべきものであること等にかんがみ、介護職員処遇改善交付金を円滑に介護報酬に移行するために例外的かつ経過的な取扱いとして設けられた経緯があるが、加算の在り方についてどう考えるのか。

仮に各サービスの基本サービス費において評価を行うとした場合、処遇改善の取組が後退しないようにするためには、どのような方策が考えられるか。




4 平成21年度改定で導入された「サービス提供体制強化加算」において、①介護福祉士資格保有者の割合、②3年以上の勤続年数を有する者の割合、③常勤職員の割合を指標に評価を行っているが、介護福祉士については、その専門性と社会的評価の向上を目指していく中で、介護報酬における対応として、どのようなことが考えられるのか。

また、事業所による職員の早期離職防止・定着促進について一層の取組が求められる中で、介護報酬における対応として、どのようなことが考えられるのか。




5 介護人材確保に当たっては、国・都道府県・市町村が役割分担をしつつ、事業者等とも連携して取り組む必要があり、特に都道府県におかれては、新たな財政支援制度(基金)を活用し、介護人材を「地域全体で育み、支える」環境を整備する取組が重要となる。都道府県による介護サービス情報公表制度の情報開示とも連動し、事業者の取組がより促進される仕組みとしていくことが必要ではないか。







特に、3の介護職員処遇改善加算については気になるところです。

現在ではキャリアパス要件というものがついておりますが、必ず作らなくてはいけないわけではなく、よりがたい場合については違う方法で担保すればよしとしましょうという非常に曖昧な状況です。

それに対してより実効性のあるものに変えていかなければならないのではないかということです。

具体的にはキャリアパスをしっかり作っている会社とそうでない会社で報酬に差を設けるべきではないかということが考えられます。

このあたりが具体的にどのように出てくるのかはまだ見えてない部分ではあります。



4つ目は、次に地域区分がまた変わりますということです。




これは公務員の地域区分が見直されたことによって介護報酬の地域区分を変えるべきではないかという議論がされているということです。

全体的には地域区分を上げていきましょうという流れがいます。

しかし、これによって介護報酬が上がるというわけではないようです。

なぜならば、財政の総額は変えない範囲内において、配分を変えましょうということだからです。
今議論されている内容は、一律2%下げた上でそれをベースとして、地域区分を見直そうということです。

これに関しては具体的に対策をとることはできませんが、このような議論がされているのだという認識をもたれることは重要だと思います。

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