平成29年度厚生労働省予算の大枠を理解しておきましょう

“平成29年度厚生労働省予算”が成立



2017年2月27日に衆議院を通過し、年度内成立となった厚生労働省予算。そこには来年度、厚生労働省がどの分野に注力しようとしているのかについての意図が大きく反映されており、その意図は、介護事業者の経営にも様々な影響を及ぼしてくるものと思われます。

そのような前提のもと、老健局・社会援護局の予算内容から、特に介護業界に関係が深い予算の概要・ポイントをご紹介させていただきます。

「平成29年度厚生労働省予算」おさえておくべきポイントとは



大きく12個の内容をお伝えさせていただきます(下記の通り)。

【その1】新しい包括的支援事業(社会保障の充実) :215億円

市町村は、以下の①から④までの事業を段階的に実施する。

  1. 認知症施策の推進
    初期集中支援チームの関与による認知症の早期診断・早期対応や地域支援推進員による相談対応、認知症カフェの設置や認知症の人本人が集う取組を推進する。
  2. 生活支援の充実・強化
    生活支援コーディネーターの配置や協議体の設置等により、地域における生活支援の担い手やサービスの開発等を行い、高齢者の社会参加及び生活支援の充実を推進する。
  3. 在宅医療・介護連携の推進
    地域の医療・介護関係者による会議の開催、在宅医療・介護関係者の研修等を行い、在宅医療と介護サービスを一体的に提供する体制の構築を推進する。
  4. 地域ケア会議の開催
    地域包括支援センター等において、多職種協働による個別事例の検討等を行い、地域のネットワーク構築、ケアマネジメント支援、地域課題の把握等を推進する。


    ⇒平成28年度対比で20億円のプラス予算となっています。

【その2】介護人材の処遇改善:289億円

臨時に介護報酬改定を行い、介護職員処遇改善加算について、介護職員の経験、資格又は評価に応じた昇給の仕組み(キャリアアップの仕組み)を構築した事業者に対し、新たな上乗せ評価を行う加算を創設し、月額平均1万円相当の処遇改善を実施する。


⇒新たに処遇改善加算の区分が新設されており、それらに対する予算です。

【その3】高齢者の自立支援、介護予防の横展開:2.6億円

高齢者の自立支援・介護予防の取組の横展開を図るため、都道府県を通じたアドバイザー派遣や集団研修などを実施することで、保険者による給付実態の分析、地域ケア会議の活用によるケアマネジメント支援などを推進するとともに、都道府県への研修会や技術的支援も実施する。}}


⇒平成28年度対比で0.8億円のプラス予算となっています。

【その4】ケアマネジメント手法の標準化:29百万円

高齢者の自立支援と介護の重度化防止を推進するため、ケアマネジメント手法の標準化に向けた取組を実施する。


⇒こちらは新規の予算となります。

【その5】介護ロボット開発等加速化事業:3億円

介護ロボット等の開発・普及について、開発企業と介護現場の協議を通じた着想段階からの現場のニーズの開発内容への反映、開発中の試作機へのアドバイス、開発された機器を用いた効果的な介護技術の構築など、各段階で必要な支援を行うことにより、加速化を図る。


⇒こちらは平成28年度対比で同額予算となっています。

【その6】介護分野のICTの活用等による生産性の向上:2.3億円

ICTの活用等による生産性の向上効果を普及させるため、小規模事業者における介護記録等のICT化を進めるための試行的事業を行い、その具体的成果を集約して横展開を図る。


⇒こちらは新規予算となっています。

【その7】認知症疾患医療センターの整備の促進:8.0億円

認知症の人とその家族に対する早期診断や早期対応を行うため、認知症の専門医療機関である認知症疾患医療センターを整備する。


また、さらなる整備促進のため、地域の実情に応じた設置が可能となるよう要件を弾力化する


⇒こちらは平成28年度対比で同額予算となっています。

【その8】認知症施策総合戦略の推進:2.8億円

「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)に基づき、適時適切な医療介護等の提供、若年性認知症の人への支援、地域での見守り体制の確立、認知症高齢者等の権利擁護等、認知症高齢者にやさしい地域づくりを推進する。また、認知症サポーターの更なる地域での活用を促進する取組への支援も行う。


⇒こちらは平成28年度対比で0.1億円のプラス予算となっています。



以上、老健局関連の予算を確認してまいりました。


続いて、社会・援護局関連の予算の中から介護事業者に関連が深そうな内容を確認してまいります。

【その9】「我が事・丸ごと」の地域づくりの強化に向けた取組の推進:20億円

住民に身近な圏域で、他人事を「我が事」に変えていくような働きかけや複合的な課題、世帯の課題を「丸ごと」受け止める場を設けることにより住民が主体的に地域課題を把握し、解決を試みることができる体制を構築する。


また、育児、介護、障害、貧困、さらには育児と介護に同時に直面する家庭など、世帯全体の複合化・複雑化した課題を的確に捉え、分野別の相談支援体制と連動して対応することができる総合的な相談支援体制を構築する。


⇒平成28年度対比で、一部新規予算がとられています。

【その10】外国人介護福祉士候補者の受入れ支援:83百万円

経済連携協定(EPA)等に基づき入国する外国人介護福祉士候補者を円滑かつ適切に受け入れるため、介護に関する基礎的な研修や受入施設の巡回訪問等を行う。


新たに、平成29年度においては、外国人介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加することに伴い、相談、通報窓口体制の整備等を図る。

【その11】外国人介護福祉士候補者学習支援事業:1.1億円

受入施設における外国人介護福祉士候補者の継続的な学習支援のため、集合研修や通信添削指導等の学習支援を実施する。

【その12】技能実習生の日本語学習等支援事業:96百万円

技能実習制度への介護の職種追加に当たって、必要なコミュニケーション能力を確保しつつ、技能移転が円滑に行われるよう、日本語学習の環境整備(Eラーニングの整備)等を行う。


最後に、外国人介護福祉士候補者関連の予算についてはまとめてお伝えします。


自社に関連しそうな項目・内容については更に深掘りを以上、来年度予算から介護事業者に関連が深そうなものを抜粋させていただきました。


繰り返しになりますが、年度予算に反映される各項目は、厚生労働省として整備・充実を進めていきたいと考えている内容ばかりです。


以上概要のご紹介です。


関心があるものについては是非、ご自身で更に深く調べてみることをおススメする次第です。


※平成29年度厚生労働省予算を更に深くお知りになりたい方はこちら

http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/17syokanyosan/

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